Life is Journey ~旅と日常~ 2014.10


Life is Journey~旅と日常~


秋も深まってまいりました。芸術、芸能、執筆といった作業がはかどる季節ですね。僕は爪先を茜で真っ赤に染めたまま旅を続けております。今は東京に滞在中。10月末からは新潟ツアー。その後は一旦関西に戻って11月は北海道ツアーも待っています。僕の旅の多くは、前回の原稿でも書いたとおり基本的には「呼ばれたところに行く」「依頼されたことをやりにいく」旅です。行き先に自分の意思をあまり反映させないことで、どの地域にどんなニーズがあるのかが見えてくるような気がします。2011年以降はとにかく手仕事系の依頼が増え続けています。たぶん今一番多いのは暦の話、その次が養生の話、そして茜染め、鉄火味噌、味噌作りなどが続きます。大きく括ると「新しいライフスタイルをデザインする」的なテーマに関心を持つ人が増えているように感じますし、関心を持つだけでなくすぐに行動に移したいという人が確実に増えているようです し、もちろん僕もその一人です。

モモの家のメンバーから「日常はどう過ごしているの?」という質問がありました。僕にとって「日常」がいつなのか、本気で判断が難しいのですが、、、一つ言えるのは「時間があったら手仕事がしたい!」と強く思っているということです。染め、縫製、養生食作り。それぞれとんでもなく奥が深いので、なるべくたくさんの時間を費やして向き合いたいと思っています。そして、工房を始めてみてしみじみ実感したのは「生活の全てが手仕事」だったという事です。たとえば染めや味噌作りとじっくり向き合ってみて「なんで今まで掃除や洗濯を同じように丁寧にやってこなかったのだろう」と思いました。今の自分は、少しでも時間があれば工房に立って染めに没頭したいと思っていますが、同時に 染めから学んでいる事を活かして、日常の暮らしのひとつひとつを手仕事にしていきたいとも思っています。

その他の時間についても少し書くと、就寝前の体のメンテナンスは日常になっています。遠征が続くスポーツ選手のようだな、と思うこともあります。お話会やワークショップなど、休むことの出来ない場が続いているので、心身の状態をよく観察して、ストレッチ、ヨガ、野口整体、足裏マッサージ、レイキ(手当て)などでケアをする事は日々欠かせない行為です。

今までの時代は、機械や道具を開発していく時代だったと思います。そして今「もうこれ以上機械や道具を開発しなくてもいいんじゃない?」という空気を感じます。これからは、改めて私たち自身の手や身体の力を見つめ直したり、発揮したり、磨いたり、取り戻したりしていく流れになっているような気がします。僕にとっての心の師匠である京都の染め司よしおかの吉岡幸雄さんが「道具が発展してきた現代なのだから、古代の染めを再現できて当たり前と思いがちだが、実際は出来ていない。」現代人の中にある技術過信や機械依存。そのことによって人間力が低下しているという指摘をされていました。人として生まれてきた以上、自分自身の心身とのコミュニケーションを通じて「人」を知るこ とをもっともっと大切にしながら「人とはこういうもの」という思い込みを超えていく旅、新しい人間像に出会っていく旅を楽しみたいと思います。